前回の「Aレベルの結果発表(クリアリング)に備えて」
からの続きです。
Aレベル試験の結果発表が目前ですが、以下は3科目の予想グレードがBBB程度の受験生に特に注目していただきたい情報です。もし木曜朝の結果が予想を上回るABBだったらどうされますか?BBBランク大の進学が決まって昼間からパーティー?
この位の成績で普通の公立校へ通っていると学校関係者には「アジャストメント?何それ?」と言われるのがオチでしょう。結果発表直後の学校は滑り止め大学のグレードも落としてしまった泣き面の生徒達にクリアリングで行ける大学を一緒に探してあげるのに手一杯で、予想より成績が良かった生徒には「おめでとう!」と言われておしまいです。
UCAS How to Guide: Adjustment 動画
「クリアリング」は予想より結果が悪く行き場を失った高校生が対象の「余っている大学のリスト」。一方、「アジャストメント」は決定済みの例えばBBBランクの大学への籍をそのままキープしつつ、さらに上位のABB/AABランクの大学へのトレードアップを図るための空きリスト」です。
クリアリングもアジャストメントも「空きリスト」であることは同じですが、有名大学の場合、空きの絶対数が少ないので、UCASのクリアリングのサイトに載せずに大学事務員に電話したらそっと空き情報を教えてくれるため要注意なのです。クリアリングを出さないインペリアル・カレッジは後者のタイプでアジャストメントによるトレードアップ枠が出ていたことがあるそう。
アジャストメントやクリアリングの大きな特徴は、合否を決めるのが学部の教授ではなく事務職員である点です。「パーソナルステイトメント、推薦書、GCSEグレード、クラブ活動」といった合否に関わっていた要素はぶっ飛んでしまい、大学側はAレベルのグレードだけで判断するようになります。
UCASに出すパーソナルステイトメントの性格上、5つまで志願できる大学はすべて同じ学部にしなければなりませんでしたが、アジャストメントやクリアリングではAレベルの科目タイプが許せば、文系→理系またはその逆の学部変更が許されます。
今年も受験生優位の売り手市場になる見込みで、たくさんの有名大学から空きがでる見込み。事前にeメール登録できる大学では当日すぐに空きリストの連絡がくるようにできます。
バーミンガム大学 マンチェスター大学 ヨーク大学
シェフィールド大学 エクセター大学 ノッティンガム大学
上位校へのランクアップにはスピードが命。大学とのダイレクトな電話交渉に与えられる時間はクリアリングが1ヶ月あるのに対し、アジャストメントはたったの5日間です。学校はもちろんあてになりませんし、電話交渉は子供自身がしなければなりませんが子供一人では身動きできません。意識の高い親だけが我が子のために動けるのです。
BBBランクから有名大学への裏技!アジャストメントとは
スコットランドが危ない?エジンバラ大学にロシア文化施設やラジオ局が開設
エジンバラ大学がロシアから £221000の支援を受け、英国の大学としては初のロシア言語&文化センターをオープン。ロシアのニュースサイト「スプートニク」の英語ラジオ局もスコットランドが本拠地となり、さらにダラム大学とオックスフォード大学にも同様のロシア関連施設が開設されることになりました。
→Russian news agency Sputnik sets up Scottish studio
このロシアの海外向け広報機関の動きが、イギリスのEU離脱決定後に活発化していることが問題視されています。母体となっているロシア世界普及協会(Russkiy Mir Foundation)の創立者が元KGBの高官でプーチンに近く、メディア戦略チーフが才色兼備の若い女性であることが「疑いの目」が注がれる理由になっています。

確かにロシア発の「スプートニク」(旧「ロシアの声」日本語版もあり)は、米英発のニュースのカウンターとして読んでいれば面白いのですが、ロシアのプロパガンダを世界へ向けて発信しているのがスコットランドのスコットランド人であるという事実。そして独立派のスコットランド人がNATOの安全保障に挑戦するかのようにロシアと西側世界の架け橋になる夢を語る…やっぱりこれはマズイのでは。
英国のEU離脱が決まって、やはり一番喜んだのは欧州弱体化が利益になるロシアです。イングランドからの分離独立を狙うスコットランドは北海油田と原子力潜水艦の基地を持つ強みがあり、EUに擦り寄ってみたり宿敵のロシアとも手を組むような動きを見せて牽制、これではイングランドは気が気ではありません。
ロシアの経済はボロボロでも外交や情報戦では世界のどこにも負けてませんね。中国問題と早急に向き合わなければならない日本もロシアの行動を睨みつつもよく研究して上手なお付き合いをしてもらいたいところです。
Aレベル結果発表日、合格した皆さんおめでとうございます!
今日は待ちに待ったAレベルの結果発表日です。
希望大学への合格を勝ち取られた皆さん、受験生を支えてこられたご家族の皆さん、おめでとうございます!

全国で30万人が受験したAレベル試験。昨年から試験採点方法が厳しくなったことでA*/Aのトップグレードを取る割合が減ったのですが、今年はやや改善。それでもシラバスの急な変更などの影響で受験生の通常の実力からは考えられない低いグレードになり、再採点やイグザムボードへ訴えを起こすケースが増えることが予想されています。
ただ、たとえ不運な結果であっても終わらないのがイギリス式なのです。有名大学のコースの空が今日の発表と同時にたくさん放出されており、第一志望の大学はダメで滑り止めの大学には合格した場合でも、クリアリングに新たなチャンスが眠っているかもしれません。逆に予想より良い結果だった場合は、必ずアジャストメントをチェックし上位大学へ変更をご検討されますように。
→No offers? Use Clearing
→Adjustment – if you’ve done better than expected
英国の学校制服、加熱するスーパー安売り合戦
なんと!朝日新聞で拙ブログ「イギリス教育事情一番乗り」を紹介していただきました。日本の公立中制服の価格差にスポットをあてた特集シリーズでイギリスの制服事情を取材に来られました。
日本は公立校でも、学校指定の制服を一通り揃えると3万円~7万円と学校間で開きがあると報告され、階級社会が残るイギリスの制服事情も似た部分があるのかと思いきや、私立は伝統的なスタイルが残るものの、公立向けでは価格破壊が起こっていました。記者さんをいくつかの店にご案内したのですが、その激安ぶりとそれを許す学校側の縛りのゆるさに驚いていらっしゃいました。
最安値店Aldiではシャツ2枚+セーター+スカートがセットで
学校のロゴ入りブレザーや特別なチェック柄のスカートなど指定店でしか買えないものは割高にはなるものの、ベーシックなイギリスの学校制服には競争原理が働きとにかく安いのです。素材も洗濯機で洗えるポリエステル100%。汚れをはじくテフロン加工のものは子供が制服のまま放課後に公園で転げまわっても帰ってから洗えば翌朝には乾くため、共働きが多い家庭からの支持を得ています。
学校はシャツとセーターの色を指定してくるくらいであとはどこで買っても構わないのですから、親たちは品質とデザイン、価格をチェックして毎年のように新しい制服を買い換えるようになっています。イギリスの子供服には20%の消費税はかかってませんが、それにしても他の衣料品に比べても制服の激安ぶりが抜きん出ているのは、スーパーにとって制服ビジネスはファミリー層への宣伝効果が高いということに関係ありそうですね。
GCSE結果発表!
イギリスの義務教育の総決算である資格試験GCSEの結果が発表されました。予想通りの成績をとれた皆さん、おめでとうございます!
今年から再来年にかけてGCSEとAレベルの再編時期にあたっており、今年のA*-C グレードの獲得率は英語が昨年から2.1%低下というこれまでにない落ち込みを見せています。
男子の成績が伸び悩み、男女間の成績のギャップがさらに広がる傾向に。
ASレベル試験の結果が大学受験に反映しづらくなったことで、必然的に16歳が受けるGCSEのグレードの重要度が増しました。できる子が早期受験することができなくなり、英語と数学で合格ラインのグレードC以上が取れなかった生徒が翌年も再受験することが義務付けられ、さらに外国語や社会の科目が芸術科目より優先されることになったのも全体のグレードの落ち込みの理由とされています。
しかし、1年後に再受験をしても半分~1グレードしか上がらないのだとか。例えば11年生の数学試験でグレードFだった子がCでパスするには3年以上かかるというのは現実的でなく子供の自信を喪失させるだけという批判の声が上がっています。そういうタイプの子供に対して今のところ有効な手立ては残念ながら用意されていない状態です。
次回は、来年度からA*ABCから数字9,8,7…に移行するGCSEの新グレードシステムについて解説したいと思います。
新GCSEグレードシステム、上位層が選別されやすく
今年夏に発表されたGCSEの英語と数学から初めて新グレードシステムによる結果が発表されました。 GCSEのグレードシステムはこれまでの A*AB...G の8段階から 987...1 の9段階へ、移行期間を経て科目毎に変更されていきます。これまでの合格扱いされた良いグレードC はグレード5 に置き換えられ、リーグテーブルの指針で使われるA*~Cの取得割合は グレード9~5に変わります。
下の図の緑の部分が国が生徒に求める「Good Pass」と呼ばれるところ。見ていただくと分かるように、新グレード5は旧グレードCよりも上に設定されるため、学校の成績パフォーマンスが一時的に落ちたように見えることになります。新入生を積極的に集めたい学校の中には、意図的に古いシステムの指標を使って学校の優秀さをアピールする可能性があり学校選びの際は注意する必要があるでしょう。
新旧GCSEグレード比較換算表。Uはグレードに満たない0点に近いという意味
新グレード9はトップ3%程度に与えられるとされ、これまでのA*/Aよりグレード9/8 の方が格段に取りにくくなっています。さらにAレベル改定により、16歳時の義務教育終了試験の成績の重要度が増したことから、大学側がGCSEの成績上位の生徒たちをより選抜しやすくする目的で新しい指標システムが作られたと言っていいと思います。
今から2~3年の間GCSEを受験されるお子さんは、シラバスの変更などで教育現場に混乱が生じたり、グレードが新旧混ざった状態になって、あまりいい気分はしないでしょうが、そういう時こそ「逆にチャンス」であると前向きに考えていただきたいですね。
QS版 世界大学トップ800ランキング 2016/17
(学術評価40%, 学生対教員比20%, 論文引用20%,
社会的評価10%, 海外教員比5%, 外国人留学生の割合5%)
2016/17年 世界大学ランキング・トップ800
1. MIT マサチューセッツ工科大学
2. スタンフォード大学
3. ハーバード大学
4. ケンブリッジ大学
5. カリフォルニア工科大学
6. オックスフォード大学
7. UCL ロンドン大学
8. ETH スイス工科大学
9. インペリアル・カレッジ・ロンドン
10. シカゴ大学
11. プリンストン大学
12. シンガポール国立大学
13. 南洋工科大学 (シンガポール)
14. ローザンヌ・エコール・ポリテクニーク
15. イェール大学
16. コーネル大学
17. ジョン・ホプキンス大学
18. ペンシルバニア大学
19. エジンバラ大学
20. コロンビア大学
21. キングス・カレッジ・ロンドン
22. オーストラリア国立大学
23. ミシガン大学
24. 精華大学 (中国)
24. デューク大学
26. ノースウェスタン大学
27. 香港大学
28. カリフォルニア大学 バークレー校
29. マンチェスター大学
30. マクギル大学
31. カリフォルニア大学 ロサンジェルス校 UCLA
32. トロント大学
33. パリ・エコール・ノルマル・シュペリウール
34. 東京大学
35. ソウル国立大学
36. 香港工科大学
37. 京都大学
37. LSE ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス
39. 北京大学
40. カリフォルニア大学 サンディエゴ校
41. ブリストル大学
42. メルボルン大学
43. 復旦大学 (中国)
44. 香港中文大学 CUHK
45. ブリティッシュコロンビア大学
46. シドニー大学
46. ニューヨーク大学
46. KAIST 韓国工科大学
49. ニュー・サウスウェールズ大学
49. ブラウン大学
51. クイーンズランド大学
51. ウォリック大学
53. ウィスコンシン・マディソン大学
53. エコール・ポリテクニック大学
55. 香港城市大学
56. 東京工業大学
57. アムステルダム大学
58. カーネギーメロン大学
59. ワシントン大学
60. ミュンヘン工科大学
61. 上海交通大学
62. デフト工科大学
63. 大阪大学
63. グラスゴー大学
65. モナッシュ大学
66. イリノイ大学
67. テキサス大学 オースティン校
68. ルートヴィヒ・マクシミリアン大学
68. 台湾国立大学
68. コペンハーゲン大学
71. ジョージア工科大学
72. ルプレヒト・カール大学
73. ルンド大学
74. ダラム大学
75. 東北大学
75. ノッティンガム大学
77. セントアンドリュース大学
78. ノースカロライナ大学
79. KU ルーベン大学
80. チューリッヒ大学
81. オークランド大学
82. バーミンガム大学
83. 浦項工科大学 (韓国)
84. シェフィールド大学
85. ブエノスアイレス大学
85. カリフォルニア大学 デイヴィス校
87. サウザンプトン大学
88. オハイオ州立大学
89. ボストン大学
90. ライス大学
91. ヘルシンキ大学
92. パーデュー大学
93. リーズ大学
94. アルバータ大学
95. ペンシルバニア州立大学
95. ジュネーヴ大学
97. KTH スウェーデン王立工科大学
98. ウプサラ大学
98. 高麗大学 (韓国)
98. ダブリン大学 トリニティーカレッジ
メイ首相、グラマースクール復興へのこだわり
グラマースクールとは「お受験」が必要な公立の中学・高校のこと。無料でありがながら名門私立と並ぶ進学実績を誇り、現在全国に164校残るグラマーに入れるため小学校低学年から家庭教師を付ける家庭は珍しくありません。
1971年グラマースクール当時のメイ首相、この頃から政治家を目指していた
グラマースクールが父兄たちからの熱い羨望の的であるのと同時に、それを絶対に許したくない左派勢力がいます。「幼い子供が受験を強いられ心に傷を負うのはけしからん」と90年代の労働党政権時代に一部を除きグラマースクールの新設どころか定員を増やすこともできなくなってしまいました。
英国のEU離脱をいかにソフトランディングさせるかの重責を担うメイ首相が、わざわざ物議をかもす「公立中学受験」を俎上にのせるのは危険な賭けだと思うのですが、彼女はどうやら本気でグラマースクール復興に動いている様なのです。
メイ首相と故サッチャー首相の出身校グラマースクールでの教育がなかったら、その後オックスフォードへ進学することも政治のトップに就くこともなかっただろうという思いがあるのは間違いないでしょう。現在の人気公立校はキャッチメントエリア内に住める「お金持ち」しか通えない現状であり、良い地域に住めない優秀な子の可能性がつぶされているのですから。
保守党は、イートン出身のキャメロン前首相やボリス・ジョンソン外務大臣をはじめとする上流階級育ちのイメージでは政局を乗り切れないことを理解しており、有能な一般の若者がグラマースクールで揉まれる事でイギリスの将来を担う人材に育てたい…。そしてイートン出身のキャメロンだったら猛反発を生んでできないことも公立出身のメイならできる…。子供の学力選抜の是非より、10年~20年先の不安定な保守党を維持するための政治的な動きであると感じました。
2つの異なる分野の学部へ出願するには
いよいよUCASの準備が本格化してきました。一人の受験生につき5つまでの大学コースに出願することができますが、自己PRと志願動機が書かれた1種類のパーソナル・ステイトメントを5大学へ向けて使いまわすことになるため、異なる分野の学部への出願は実質的に難しい仕組みになっています。
複数の分野に興味があったら、まずはイギリスの学部ではまだ数は少ないですがジョイント・ディグリーのコースで希望の組み合わせがあるか探してみましょう。→UCL のリベラル・アーツ学部は日本語OK
文系と理系の学部を同時に出願することはテクニカル的には可能ですが、どちらかを立てると一方が弱くなる… 両方同じように立てると全体的に魅力の乏しいパーソナル・ステイトメントになって自爆してしまう… こうならないようにするには2つの学部になんらかの関連性を見つけ出し、両方を立てた時の魅力が落ちないパーソナルステイトメントを書き上げる以外にありません。そして面接時に試験官から矛盾を突っ込まれた際に落ち着いて返すことができる論理的な整合性も必要です。
そこまでやれる自信がない…という場合、時間差を利用してリスクを回避する手があります。→UCAS出願のタイミングを利用した合格法
大学側はあなたが他のどこに志願したかは見えませんから、最初に5つ全部の大学の枠を使い切らずに1~2つ空けておき、オファーが来たのを確認してから別の異なる分野にアプライするのです。もちろん春前の締め切りまでには2校に絞らないといけませんが、その場合に第一志望は理系、滑り止めは文系の学部というのは十分に可能だと思います。
マインドマップを使って志望動機を整理してみるのもよい方法
ご質問いただいたケースは工学部と芸術学部を同時に出願したいという方だったのですが、この組み合わせは意外に親和性があります。上記のように別々にアプライもできますが建築や工業デザインなど両方の要素のある学部を選ばれるのもいいですね。さらに学部で工学を学んでおくと芸術大学院で歓迎されるルートがありますが、その逆の芸術から工学への移動は不可能ですので、どちらか迷ったら工学をやっておく方がお勧めです。
オリンピック・メダリスト輩出 No.1 ラフバラ大学
イギリスは日本の半分程度の人口しかないのに、今年のリオ・オリンピック&パラリンピック共に国別メダル順位は世界2位。英国のEU離脱で萎む経済でもイギリス国民が楽観的に見えるのはオリンピック効果なのかも。そのオリンピック選手輩出の筆頭に来るのがラフバラ大学で、続くバースとバーミンガムが英国3大スポーツ大学です。
ラフバラ大学はもともと学生人気が高く、アカデミックな学部からスポーツ科学の充実ぶりが有名。今回のリオでの快進撃は、もしラフバラ大学が独立国であったら単独で世界メダル獲得ランキング17位になる程なのだそう。
Loughborough University producing most top Olympic athletes
ラフバラ大学を筆頭にバース大、バーミンガム大がアスリートに人気
イギリスがオリンピックで成功している理由は、メダルを取れそうな種目を絞って集中的に資金を投入したり、英連邦の海外から才能を引き抜いて英国籍を取らせる、はたまたドーピング検査にひっかからない新薬開発に力を注いでいるなど耳にします。しかし95%の子供達が通う公立校の体育の授業はお粗末極まりなく、スポーツをやりたいのなら放課後にお金を払って習いに行かなければならず、身体能力の高い貧しい子供が専門家の目にとまる機会は実は少ないのです。
なのでメダリスト達の顔ぶれを見ていると「育ちの良さ」を感じてしまいます。実際にオリンピック選手の1/3が私立出身らしいのですが、確かにイギリスが強い自転車・ヨット・カヌー・馬術 などの競技はお金持ちしかできないスポーツではありますし、これらの大学へ行くためには相当な学力も求められています。イギリスのアスリートは共産圏にありがちな幼い頃からスポーツ英才教育を受けてきているのではなく家柄も頭脳も申し分のないエリート紳士淑女達なのですね。
タイムズ版 世界大学トップ1000ランキング
2016-2017年 世界大学ランキング・トップ1000
1. オックスフォード大学
2. カリフォルニア工科大学
3. スタンフォード大学
4. ケンブリッジ大学
5. MIT マサチューセッツ工科大学
6. ハーバード大学
7. プリンストン大学
8. インペリアル・カレッジ・ロンドン
9. ETH チューリッヒ工科大学
10.カリフォルニア大学 バークレイ校
10.シカゴ大学
12.イェール大学
13.ペンシルバニア大学
14.UCLA カリフォルニア大学
15.UCL ロンドン大学
16.コロンビア大学
17.ジョン・ホプキンス大学
18.デューク大学
19.コーネル大学
20.ノースウェスタン大学
21.ミシガン大学
22.トロント大学
23.カーネギーメロン大学
24.シンガポール国立大学
25.LSE ロンドン・スクール・オヴ・エコノミックス
25.ワシントン大学
27.エジンバラ大学
28.カロリンスカ研究所
29.北京大学
30.ローザンヌ・エコール・ポリテクニーク
30.LMU ミュンヘン大学
32.ニューヨーク大学
33.ジョージア工科大学
33.メルボルン大学
35.精華大学
36.ブリティッシュ・コロンビア大学
36.イリノイ大学
36.キングスカレッジ・ロンドン
39.東京大学
40.KU ルーベン大学
41.カリフォルニア大学 サンディエゴ校
42.マクギル大学
43.ハイデルブルグ大学
43.香港大学
45.ウィスコンシン大学 マディソン校
46.ミュンヘン工科大学
47.オーストラリア国立大学
48.カリフォルニア大学 サンタバーバラ校
49.香港工科大学
50.テキサス大学 オースティン校
51.ブラウン大学
51.カリフォルニア大学 デービス校
53.ミネソタ大学
54.南洋工科大学(シンガポール)
55.マンチェスター大学
56.ノースキャロライナ大学 チェペルヒル校
57.フンボルト大学ベルリン
57.ワシントン大学 セントルイス校
59.デルフト工科大学
60.クイーンズランド大学
60.南カリフォルニア大学
60.シドニー大学
63.アムステルダム大学
64.ボストン大学
65.ワーゲニンゲン大学
66.パリ・エコール・ノルマル・シュペリウール
67.メリーランド大学 カレッジパーク校
68.ペンシルバニア州立大学
69.エラスムス・ロッテルダム大学
70.パーデュー大学
71.ブリストル大学
72.オハイオ州立大学
72.ソウル国立大学
74.モナッシュ大学
75.ベルリン自由大学
76.香港中文大学
77.ライデン大学
78.ニューサウスウェールズ大学
78.RWTH アーヘン工科大学
80.フローニンゲン大学
80.ピッツバーグ大学
82.ダートマス大学
82.エモリー大学
82.ベルリン工科大学
82.ウォーリック大学
86.ユトレヒト大学
87.ライス大学
88.グラスゴー大学
89.KAIST 韓国科学技術院
89.テュービンゲン大学
91.ヘルシンキ大学
91.京都大学
93.ウプサラ大学
94.マーストリヒト大学
95.フライブルグ大学
96.ダラム大学
96.ルンド大学
98.オーフス大学
98.バーゼル大学
98.カリフォルニア大学 アーバイン校
THEタイムズ版 分野別 世界大学ランキング 2017年
タイムズ・ハイヤーエジュケーション版の世界大学ランキングの分野別バージョンの最新版が発表されました。全8分野の世界1位〜100位までの大学はこちら↓のリンクからご覧いただけます。
THEタイムズ版 分野別 世界大学ランキング 2017年
社会科学 (メディア・教育学・政治・外交・心理学・地理)
自然科学 (数学・統計・物理・宇宙学・化学・地学・環境・海洋)
芸術&人文学 (美術・デザイン・言語学・歴史・哲学・建築・考古学)
工学&テクノロジー(電気・機械工学・宇宙工学・土木工学・化学工学)
UKiset イギリスの中高への留学生向け適正試験
UKiset (UK Independent Schools' Entry Test) とは、イギリスの私立中学・高校へ留学を希望する9歳~17歳の
UKiset試験は4つ
1.非言語知能検査 (Non-Verbal Reasoning)
2.言語ベース知能検査(Verbal Reasoning)
3.英語
4.数学
UKisetテストの特徴は「学力よりも能力や適正」が重要視されていること。特に年齢が低いほどその傾向が強まります。
実際に何点以上とったら合格というようなラインが引かれていないことからも、学校側はこのテストから子供の「素の特性」を見極めようとしているのがわかります。例えば、英語と数学の学力が平均以下でも知能が突出しているような子は「伸びしろが大きい逸材」と低学齢であれば喜んで受け入れてくれるだろうと想像できます。
ただ、この試験を受ける子供の大半は中国人だと思われます。ここからは私の推測になりますが通常の学力試験だと高得点の
イギリス国内では外国人学生による試験不正事件が度々おこっており、
→バース大学の教授に賄賂と銃をちらつかせた中国人留学生に有罪判決
ウィンチェスター校が露骨にアジア系留学生だけ志願できなく工作するようなことがありましたが(→ウィンチェスター校、日本のインター出身の願書受付を拒否)有名校ばかりへ殺到する中国人対策としての側面も考えられます。一方人気の落ちる学校にとっても
イートン校の生徒達がプーチンと面会
キャメロン前首相はじめとする19人の歴代首相を生み、ウィリアムとハリー皇太子が通っていたことで知られる名門イートン校の生徒達がロシアを電撃訪問、なんとクレムリンに招待されてプーチンと2時間に渡る会談までしているのです。ロシアとの首脳会議がまだのメイ新内閣を出し抜いて15歳~18歳の高校生達がなぜそんな機会を与えられたのでしょう。
イートンで神学を選択しているグループの香港系留学生David Weiくんはフェイスブックで「交渉に10ヶ月、2000を超えるメールのやりとりをした。徹夜続きが報われてプーチンに僕達の特別感をアピールできたし、半端ない存在感の大統領の人間的な側面も知ることができて良かった」と語っています。
この面談は完全に生徒達が自主的に動いたもので学校も父兄も何も知らなかったいうのですが本当なんでしょうか。国際会議に出席したアメリカ人にホテルで毒を盛るようなことをしておいて、一方では無名の西側高校生にはここまで歓待するという。まさか頭が柔らかい内にうまく利用してやろうなんて考えてませんよね?
廃止されるAレベル科目
Aレベル試験改定に伴い、2017年度より以下の科目が廃止される運びとなりました。廃止決定の理由として考えられるタイプをあげてみました。
・ Critical Thinking や General Studies などのアカデミック科目とし
て扱われないもの。 →Aレベル日本語とソフト・サブジェクト
・ History of Art など受験生が裕福な私立に偏っており、生活保護家
庭での受験者がほぼゼロなもの。
・ Statistic などメイン数学のモジュールに一元化が可能なもの。
影響がありそうな学校は、ポッシュで理系の弱い私立とアカデミックじゃないカレッジ系。「一応Aレベルやったし」って言い訳が難しくなるようになりました。例として、高校で基礎の数学を落として「会計」「統計」だけやることが許されなくなり、「数学Aレベル」やって大学へ入ってから「経済学」をやりなさい、というメッセージですね。
廃止科目リストの中には、ケンブリッジ大学が推奨しているAレベル科目のリストにあるものは上がっていませんので、ほとんどの場合、容易に代替可能であり大きな影響はないでしょう。
廃止が決定したAレベル科目リスト
Accounting
Anthropology
Archaeology
Citizenship studies
Communication and Culture
Computing – replaced by Computer Science
Creative writing
Critical thinking
Economics and Business (can be taken as separate subjects)
Electronics
Engineering
General studies
Global development (AS only)
Health and social care
History of art
Home economics: Food, nutrition and health
Humanities
Information and communication technology (ICT)
Leisure studies
Media: Communication and production
Moving image arts
Pure mathematics
Quantitative methods (AS only)
Science (AS only)
Science in society
Statistics
Travel and tourism
Use of mathematics (AS only)
World development
9割がA*,英国No.1 アジア式スーパー私立高校の秘密
英国のトップ私立高校と言ったら、イートンやウェストミンスター
カーディフ・シックスフォーム・カレッジ の高校生。多くがアジア系。
無名の新設校は初期段階として優秀な生徒を集めることからして大
この学校の特色はアジア的な成績至上の徹底した管理主義と言って
留学生ばかりで学校としての公共性に欠けるとの批判を避けるため
その点、日本人も勉強漬けの受験生活には抵抗感がありませんし、英国階級社会そのもののエリート校に中途入学して疎外感を感じるかもしれないリスクを思えば
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日本の有名大学の国際コース進学説明会
「日本体験エキジビジョン」と題された日本のトップ大学の国際コース 「Global 30」 や、就労機会「JETプログラム」 についての説明会が今年もロンドンで行われます。グローバル30 とは日本政府が補助金を出し日本の大学への留学生を30万人に 増やそうという計画のことで、これらの英語で行われる国際コースの総称として使われています。
日時: 2016年11月19日(土)午後12時~18時
場所: The Royal Society, Wellcome Trust Lecture Hall
6-9 Carlton House Terrace, London SW1Y 5AG
参加大学: 東京、京都、慶応、早稲田、上智、明治、
そもそも日本の大学の国際化を進めるための国際コースと言ったところで、日本好きなイギリス人高校生からの関心は薄く、日本人帰国子女からは熱い視線を集めてしまった理由の一番はやはり費用の問題です。
さらに問題なのは、日本では難関と言われる大学でも「外国人向け日本語不要の英語コース」となることで、入学時の学力レベルを下げてしまった or 下げざるを得なかったこと。私は名古屋大学の応募資格がIB30点という平凡な点数であることを挙げて「これでは海外から見たら二流」と書きました が、同じ大学なのに言語が違うというだけでレベルが2階層システムになっているのが疑問視されています。
結局、帰国子女やインター出身の日本人と、英米の大学へ行きそびれた非英語圏人ばかりになってしまい「日本の大学が国際的競争力をつける」本来の目的とはズレた方向に進んでいるような気がしてなりません。
ダイソンが授業料無料の実習訓練大学を設立
斬新なデザインとテクノロジーが融合した掃除機や洗濯機で有名なダイソンが未来のエンジニアを育てる大学を設立することになったというニュース。
「英国の製造業復活にはアジア諸国と並ぶエンジニア育成が急務だ」
ダイソンの創立者でサーの勲章を持つジェイムス・ダイソンが教育に乗り出すのは、芸術専門大学院のロイヤル・カレッジ・オブ・アートに校舎を建て奨学金を提供したりということはありましたが、今回話題なのはイギリス・ウィルトシャーにある本社リサーチ施設の敷地にキャンパスを併設する高等教育機関のオープンです。
しかし、まだ実際には学位を授与するの機関としての「大学」ではなく、ウォリック大学と提携した独自の資格だそう。それに加え職業訓練機関という側面を持つため、エンジニア4年コースの学費はなんと無料で、さらに£16,000の給料付きなのだとか。学生達はダイソン本部のエンジニア達と日常を共にし学びながら技術や経験まで身につけることができ、ダイソン側もキャンパスの学生達がもたらすフレッシュな風を期待できるわけですね。
2017年秋スタートの定員は25名で、Aレベルの理系科目で成績AABまたはUCASポイント340点相当以上の学力が必要です。まだ正規の大学ではないのでUCASを通さず直接ダイソン社へ志願書を出してくださいとのこと。これなら通常の大学への出願とかぶりませんから同時にチャレンジしてみるのも面白いのではないでしょうか。
オックスフォードとインペリアルがMOOCに初参加
ムークとは世界中で誰でも無料で受けられる大学のオンラインコース。今回オックスフォード大学とインペリアル・カレッジが初参加し新コースがアップされました。MOOCは先発のコーセラとEdX、イギリス版ではフューチャー・ラーンのプラットフォームが有名で、経済的な理由で高等教育が受けられない優秀な学生たちをひきつけています。
オックスフォード政治学のコース
From Poverty to Prosperity: Understanding Economic Development
インペリアルカレッジMBAのテスター・コース
Free online courses from Imperial College Business School
それぞれのMOOCは修了証の発行に課金するなどビジネスモデルを模索しつつもどこもまだ採算が取れていません。世界の大学が自らの教育力の魅力を競い合うように目玉教授の授業を無料で提供しているというのはどんどん利用すべきことだとは言え、実際の利用者はターゲットの貧しい若者よりは、さらなる知的刺激を求める高学歴の大人や年金生活者の方が多いのだそうです。
ちなみに私はキングスカレッジの戦争学の無料版を終えたところ自動的に有料版コースの案内が送られてきましたけど、参加者の年齢層高かったですしオタクっぽかったので、大学側もあえて「お金を出せる層が好むようなトピック」を選ぶような動きがみえます。
MBAなんてまさにお金を持っている企業に直接訴えかけているようなもので、大学側はこれまでの慈善活動的なイメージアップのためのものから次の段階へ、課金方法も「広く浅く」か 「少数がっつり」か、コースの性格に合わせたものへ変化していっているのが最近の傾向です。